高校の受験科目以外のことは宇宙に関係ないのはウソ??

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

高校に入ると中学に比べて授業の内容が濃くなる分、一つの教科にかかる予習や復習の時間が多くなってしまいます。

特に受験科目が多い国公立の受験を考えている場合には、共通試験で5教科7科目(理系の場合:国語、数学 x 2、英語、理科 x 2、社会)も受験する必要があるので、かなり大変です。

加えて英語は、読む・書く・聞くだけだったのが、話すという項目が加わり、将来の大学共通試験では、受験当日ではなく、事前に民間英語検定を受ける必要が出てきました。

受験前の負担が増えているのは間違いありません。

これだけ負担が大きいと、受験に使わない科目は捨てようと考えるのは当然の話です。あれもこれも、全力でやるのは難しいのは事実です。

もし志望校合格がゴールだとしたら、最短コースで行くのが一番の近道です。

それでも受験科目以外の科目をやっておいたほうがいいと言われるのは、内申書に響くから、推薦をもらうためにやっておいたほうがいいという話を聞くからかもしれません。

高校の成績を大学受験で使うところもあるでしょう。ある意味事実ですが、先に挙げたのは消極的理由です。

つまり、受験科目以外をやるのは最短コースだから「しかたなく」やっているという感じです。

体育や音楽、家庭科といった授業や受験で使わない科目は、遊びという感じになっているかもしれません。

 

 

でも、一つ忘れていませんか?

ここに来ている君は、宇宙の勉強がしたくて大学を目指しているはずです。
スタートは大学に入ってからです。

高校と大学の大きな違いは、習う内容です。

高校では既に一般常識として認められていること(誰もが正しいと認めること)を習います。

それに対し大学では、基礎の部分は一般常識と分かっていることを学びますが、最先端になると何が正しいのかという答えすら分からないことだらけです。

つまり基準がない世界なのです。

学校で習ったことがそのまま使えないかもしれない世界について学ぶのです。

学問で未知の世界に入り込んだとき、そこには昔の人が海を航海したときに目印として使っていた北極星はありません。これらの目印は、東西南北の位置を正確に把握するために使っていた確かな道しるべです。

今だとカーナビやスマートフォンのGPS機能で場所を把握できますね。

最先端のところでは、確かな目印が見えないのです。

そこで起こっている事は何かを突き止め、既成事実で説明できることなのか、未知のことが起こっているのかを判断します。

このとき頼りになるのは、

 

自分の経験と五感

 

だけです。

経験と五感によって、大きな成果がでた例を挙げてみましょう。

例えば、2010年に打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」。膜を広げたときの大きさは、約14m x 約14m の正方形の大きさにもなります。

ところが、打ち上げロケットにはこれほど大きいものは入りません。宇宙で組み立てるという方法は、日本独自ではできません。有人ロケットがなく、宇宙に行って作業することができないからです。

折りたたんで、宇宙に行ったら広げればいいのでは?

と考えるでしょう(技術的な問題はともかく)。折り紙のイメージですね。

でもこの折りたたむという発想は、折り紙を昔やっていたり、折りたたむというものを見たり、実際にやっていたからこそ生まれたものです。

また、日本のX線天文学をトップレベルまで引き上げた日本初のX線天文衛星。最も有名な成果は、「はくちょう座のX線源の位置の精密決定」です。はくちょう座X-1と呼ばれています。

このことが、はくちょう座X-1がブラックホール候補であることの発見へとつながりました。

これは、小田稔先生が発明した「すだれコリメータ」により、X線天体の天空上の位置を高精度で決定できるようになったことが大いに関係しています。

このアイデアはハツカネズミのかごに入っている円筒状の回転はしごを通じて向こうを見たことから生まれたという有名な話が伝わっています。

宇宙の話とはちょっと違いますが、今ではICカードが登場してあまり使うことはなくなりましたが、電車に乗るときに使う切符。

切符を自動改札機に入れると、縦に入れても横に入れてもちゃんと読み取って出てくる。

この仕組みも、川に流れている葉っぱが小石に当たって向きを変えるのをみた開発者が取り入れたという話です。

折り紙などは受験には全く関係ない話ですよね?

でもこういった全く関係ないことが実は最先端の道を切り開いたりするのです。

 

 

しかしこの自分の経験と五感というものは、トレーニングしないとうまく働かないのです。

「受験が終わったからさぁ五感を最大パワーで使うぞ」と思っても、動かないのです。

日頃からいろんなものに触れ、感じて初めて動くものなのです。

受験科目以外は大学受験を受ける際には役に立ちません。しかし、未知なる道を進む際、役に立つかもしれません。

将来宇宙のことをやるときには(もちろんそれ以外のことでも)、こういった小さな積み重ねが大いに役立つかもしれないのです。受験科目以外も意外なところで、宇宙と関わり合いがあるかもしれませんよ。

むしろ受験で使う必要がないからこそ、楽しく学べるかもしれません。