はやぶさ2。どの大学がプロジェクトに参加していますか?

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

はやぶさ2が2018年の7月から8月にかけて、小惑星リュウグウに接近します。

宇宙を学べる大学を目指す君にとっては、一大イベントだと思います。

前のはやぶさが工学実験衛星だったのに対し、はやぶさ2は科学探査衛星となっています。

はやぶさでの経験を生かしつつ、科学探査の目的もあり、工学専門家だけでなく、小惑星・太陽系科学者も交えて、開発を行っています。

多くの研究機関や企業、そして大学が参加した一大プロジェクトになっています。

はやぶさ2は、次の4つの使命を持っています。

 

  • 理学目標
    1. 太陽系における物質進化過程の謎解き
    2. 微惑星の物理進化過程の謎解き
  • 工学目標
    1. 新宇宙サンプルリターン探査技術の確立
    2. 宇宙衝突探査技術の実証

 

工学目標は、探査機技術の確立や実証なので、わかりやすいものです。

きちんと動作する、ノウハウを取得するといった内容で、今後の探査機に応用していくための技術です。

 

それに対し理学目標は、太陽系が生まれてから惑星ができるまでの課程の一部を調べるものです。

例えば、水と有機物(生命材料)はどこから来たのかという問題。

水の起源について、

  1. 太陽系が誕生する前からあった分子雲に存在していたものが起源
  2. 太陽系の誕生と時に生成されたものが起源

の二つの主張があります。

また、有機物についても

  1. 地球に微惑星が衝突してできた。
  2. そもそも宇宙から飛来してきた。

の2つの主張があります。

 

今回探査する小惑星リュウグウは、C型の小惑星です。

C型小惑星は、炭素質を多く含む小惑星です(Cは、炭素質を意味するCarbonaceousの頭文字)。

このタイプは、天体内部が溶けてコア・マントル地殻構造に分かれていない天体の破片であると考えられています。

今まで落下した隕石の研究などから、元素存在度が太陽と似ていること、炭素・有機化合物・水を多く含んでいることがわかっています。

すなわち、太陽系誕生当時の情報をもった天体であると推測されています。

ちなみに小惑星イトカワはS型小惑星で、石質・ケイ素質が多い岩石質の天体です(Sは、石質:Stony、もしくはケイ素質:Silicaceousの頭文字)。

 

実は太陽系の誕生のプロセスにはまだよくわかっていないことがたくさんあります。

標準モデルと呼ばれる理論はありますが、太陽系以外に多数発見された惑星の存在を説明するためには、修正が必要であると言われています。

今回の小惑星リュウグウの探査で、太陽系誕生のプロセスがより明確になることが期待されています。

この太陽系誕生のプロセスがより明確になることによって、現在多数発見されている(太陽)系外惑星の誕生のプロセスの理論もより明確になります。

惑星誕生のプロセスの理論が完成することによって、地球のような生命の存在しうる惑星が誕生するかどうかの推定ができるかもしれません。

 

 

これらの理学目標や工学目標を達成するため、さまざまな機器やプログラムが開発されました。

例えば、はやぶさ2に搭載されている近赤外線分光装置は、

  • JAXA
  • 会津大学
  • 国立天文台
  • 愛知東邦大学
  • 国立環境研究所
  • ブラウン大学

が開発に関わっています。

この近赤外線分光装置は、水分を多く含む物質を発見することを目的にしています。

水を多く含む物質は、天体の形成過程の痕跡を残していると考えられているためです。

また、得られたデータを解析するためのソフトウェアの開発、鉱物やそこに含まれる水分の量や質の解析については、千葉工業大学の惑星探査研究センターが行っています。

会津大学では観測機器が取得するデータを元に小惑星形状のモデリング等を行う解析ソフトウェアの開発を行っています。

さらに、はやぶさ2に搭載されているローバーの1つであるミネルバ2は、

  • 東北大学
  • 山形大学(工学部)
  • 東京電機大学
  • 大阪大学
  • 東京理科大学

の五つの大学が参加した大学コンソーシアムが担当しています。

ミネルバ2は、小惑星リュウグウに降りて、微小重力表面移動に関する新規技術の工学実験やカメラ画像撮影を行います。

そのほかにも(上記大学含む)

  • 北海道教育大学
  • 北海道大学
  • 東北大学
  • 山形大学(工学部)
  • 会津大学
  • 茨城大学
  • 首都大学東京
  • 東京工業大学
  • 東京大学
  • 東京電機大学
  • 東京理科大学
  • 立教大学
  • 日本大学(理工学部)
  • (国際基督教大学)(※1)
  • 千葉工業大学(惑星探査研究センター)(※2)
  • 総合研究学院大学(※3)
  • 東海大学
  • 神奈川工科大学
  • 愛知東邦大学
  • 京都大学
  • 和歌山大学
  • 大阪大学
  • 神戸大学
  • 岡山大学
  • 広島大学
  • 九州工業大学
  • 九州大学
  • 福岡工業大学

の大学がはやぶさ2のプロジェクトに参加しています。

※1 2018年以降については、大学に確認するようお願いします。
※2 惑星探査研究センターは学生の受け入れを行っていません。
※3 総合研究学院大学は、大学院生のみ入学可能な大学です。

 

 

今後、火星探査や将来は木星とほぼ同じ軌道を回るトロヤ群小惑星の探査計画もでてきています。

今回のはやぶさ2でつちかった技術が次の探査機に生かされます。

探査機を打ち上げるには何年も前から計画して、開発する必要があります。

今ははやぶさ2が目的地にたどり着くので、脚光を浴びていますが、今度の探査機の計画はまだ日の目を見ないうちからスタートしているのです。

太陽系や惑星に関する研究を行いたい、人工衛星関連の研究を行いたいと思ったら、一度上記に挙げた大学の研究室をみてはいかがですか?

もしかしたら、宇宙の研究でやりたいことがそこにあるかもしれません。