宇宙を学ぶのに物理学のある大学に進学すれば大丈夫ですか?

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

アストロ部では、宇宙を学ぶために、高校理科の第一優先科目として、物理を推奨しています。

 

というのも、宇宙でおこるさまざまな現象は、物理学の知識が必要だからです。

ここでは、大学の進路に迷っている君に、宇宙を学ぶのに物理学がある大学に進学すれば大丈夫かどうかについて、お話ししたいと思います。

 

物理はついて回る、どこまでも。

宇宙を学ぶ上では、必ずといってもいいほど物理はついて回ります。

例えば、恒星内部で起こっている核融合反応。

水素原子からいくつかの過程をへて、最終的にヘリウムになる現象です。

このとき、膨大なエネルギーが生み出されます。

このエネルギー反応の過程を見るときにも物理がでてきます。

 

また、惑星形成を考える際にも重力が非常に重要な役割を果たします。

ただ、重力はある程度大きな物体でないと効果が目に見えて現れません。

小さなちりがくっついて大きくなるためには、電磁気の力が必要なのです。

すなわち、惑星形成一つとっても、重力と電磁気力の2つの力について知っている必要があるのです。

 

最近の宇宙の話題には、地球外生命についての話がよく出てくるようになりました。

系外惑星で地球に似たような惑星が見つかったばかりでなく、太陽系内でも従来は氷であろうと思われていた場所に、液体の水があるであろう証拠が次々と見つかったからです。

生物学と天文学が結びついた学問をアストロバイオロジー分野と呼びます。

アストロバイオロジー分野では、生物学的なアプローチも考えられますので、物理学というよりは生物学のアプローチが強くなります。

とはいえ、無重力状態や微小重力状態における生物への影響を研究するとなると、多少なりとも物理で出てくる重力について知らなければなりません。

このようなことを考えると、宇宙を学ぶのに物理はついて回ると考えてもいいでしょう。

 

物理学の勉強をしていれば、宇宙のことを学べますか?

宇宙の現象を理解するためには、物理学の知識が必要不可欠ですので、物理学の勉強をする必要があります。

したがって、基礎知識として物理学の現象を理解する必要があるのです。

ところで、大学の学部の講義を見ると、

 

  • 天文学・宇宙関連の講義がある程度ある大学
  • 物理学の講義がメインで、数コマ天文学・宇宙関連の講義がある大学
  • 卒業研究でのみ、天文・宇宙関連の講義を扱っている大学

 

の3パターンに分かれます。

 

これは、各大学の学部・学科の構成によってカリキュラムが組まれているからです。

そのため、物理学を学習すれば、宇宙のことを学べるとは限らないのです。

したがって、物理学を学ぶことが必ずしも宇宙のことを学ぶことと同義ではないことに注意してください。

物理学を学ぶのは、宇宙の現象を理解するための準備なのです。

 

宇宙関連の講義のある大学に進学した方がいいですか?

可能であるならば、宇宙関連の講義がある大学に進学した方が、君の大学に入ってからのモチベーションが上がることでしょう。

しかし、遠方で通えないなどの理由で、宇宙関連の講義がほとんどない大学に進学せざるを得ないこともあるかもしれません。

 

そのような場合でも、物理学の講義が充実している大学であれば、大学院進学の際、進路変更が十分可能です。

物理学について重点的に学習しているので、むしろ、有利かもしれません。

 

というのも、大学院の試験で天文学の問題を出題しているところはほとんどないからです。

東京大学の天文学専攻では、天文学の問題も出題されますが、必須選択問題のうち数学と物理学の問題は少なくても1問は答えなくてはなりません。

また、東北大学では数学と物理学の問題が出題されます。

 

これは何を意味しているかというと、それだけ数学と物理学が、天文学や宇宙を研究する上では重要であるということをあわらしているのです。

すなわち、本格的に天文学や宇宙について学ぶためには、数学と物理学をマスターしてくださいねということなのです。

 

逆に言えば、宇宙関連の講義がほとんどなくても、物理学をしっかり学ぶことで、宇宙関連のテキストを自分で学習することができるとも言えます。

可能であるならば、宇宙関連の講義のある大学に進学した方がいいのですが、もしそれができない場合には、物理学の講義が充実している大学を選んで、大学院で進路変更するといいでしょう。

 

まとめ

宇宙を学ぶのに、物理学が必要不可欠です。

ただし、物理学の講義があるからといって、必ずしもその講義の中で宇宙関連のことを触れているとは限りません。

 

つまり、物理学の講義があれば宇宙のことを学ぶことができるとは限らないのです。

宇宙関連の講義がある大学に進学した方がいいのですが、何らかの事情でそれができない場合、物理学の講義が充実している大学を選び、大学院で宇宙関連の研究をしている所をめざすのもありです。

 

本格的に天文学や宇宙のことについて学ぶのであれば、大学院になるからです。

高校生の君が無事に志望校に合格できることをお祈りしています。