大学から宇宙の科目の勉強を始めても間に合いますか?

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理系で地学を選択できる高校は非常に少なく、多くは物理を選択すると思います。

なお今回の内容は、生物をメインに扱った宇宙生物学や古代の文献や遺跡を調査する古天文学を除きます。

これらのテーマの場合、取る教科が異なるからです。

 

 

地学には太陽系や宇宙について書かれている単元がありますので、大学に入学できたけど授業について行けるかどうか不安になってしまうかもしれません。

しかし、宇宙の勉強をするときに必ずついて回るのが物理です。

 

例えば、太陽系の運動についても万有引力の運動方程式という物理法則を使います。他の宇宙の現象も必ず物理法則がついて回ります。

そして、この運動方程式を解くために必要なのが数学です。

つまり、宇宙の勉強には最低限、物理と数学が必要になるのです。

逆に言えば、宇宙で起こっている現象は物理と数学の力を借りて、説明しようとしているのです。

 

 

実のところ、宇宙は分かっているようでいて、わかっていないことが多いのです。

例えば、太陽を始めとして銀河系の恒星は銀河系の周りを回っていますが、その回転速度を観測すると、今分かっている質量から割り出した回転速度では説明ができないのです。

銀河系の回転速度が基地の質量からだけでは説明がつかないときに、

 

「物理法則が間違っているのか、それとも未知の何かがあるのか?」

 

と議論がでてきて新しいアイデアや別の新しい法則があるのではと考えるかもしれません。

今では、まだ発見されていないダークマターが原因であると考え、ダークマターを検出しようとしている研究者もいます。

 

 

このように知られている物理法則と観測との不一致が、新たな発見をもたらすかもしれないのです。

観測をメインに行うにしても、そこで得られた情報がどのような現象のものかを考える際には必ずどの物理法則に当てはまるかを考えます。

物理法則から導き出された理論値と、実際の観測が合っているかどうかを調べることで、

 

「この物理法則で説明できるので●●と言える。」
「未知の物質があるのではないか?」

 

という議論にまで話を持って行くことができるのです。

 

高校物理は万有引力の項目を除いて宇宙に関係する主題は出てきませんが、物理のすべての内容が宇宙に関わりを持つと言っても過言ではないくらい宇宙と物理は密接に結びついているのです。

 

 

しかし物理は公式を覚えて問題を解くというものではなく、そこで何が起こっているのかを観察して現象を理解し、説明する学問(もしくは法則から導き出される現象を予言し、その現象を探す学問)です。

物理は、暗記すればどうにかなるというものではないのです。

多くの教科では暗記すればある程度の点数がとれましたが、物理は違います。

高校受験や他の教科とは勝手が違うため、考え方に慣れるまでに時間がかかります。

だからこそ物理に時間をかけてほしいと思います。

 

物理と地学の両方が選択できれば申し分ないのですが、それができないのであれば、大学で宇宙の勉強をするときに困らない方法を選ぶべきです。

 

 

実は大学に入って一から物理を学ぶのは非常に大変です。

確かに高校でやった範囲を今度は微分積分を使ってもう一度学び直すので、「高校でやらなくても・・・。」と考えるかもしれません。

しかし、大学では高校で2年もしくは3年かけてみにつけたことをベースに講義が進められていきます。

しかも最初の期末試験は15回程度の講義の後すぐです。

 

そして、高校物理では触れなかった内容も出てきます。

物理の教科だけに時間をかけるわけにはいきません。

他の教科も試験やレポートの提出があり、それもこなさなければならないからです。

 

しかも大学は高校までと違って、授業ではなく講義になります。

つまり、一から手取り足取り教えてもらえるとは限らないのです。

高校で物理を2年もしくは3年やっているということは、大きな利点なのです。

だから、宇宙そのものの勉強は大学に入ってからでも十分間に合うのです。

 

 

本当のベストは地学と物理が、高校で一緒に学ぶことができれば、何ら問題がないのでしょう。

しかし、現状は地学を選ぶことのできる高校が少ないことを考えれば、物理をしっかり学ぶと言うことは第一選択なのです(地学を選択できても、物理は学んでほしいです)。

 

 

もし高校地学をやらなかったことに心残りでしたら、大学に合格した後に、

 

もういちど読む数研の高校地学(数研出版)

 

を使って独学で学ぶといいでしょう。

 

高校地学の範囲で学ぶ宇宙のことが書かれている数少ない教科書です。

地学基礎と地学がひとまとまりになっていますので、一気に読むことができると思います。

 

 

物理を学んでいれば、ひとりでも十分進められるはずです。

地学の教科書には、物理で詳しく解説していた物理法則は、簡潔にしか書かれていないのです。

物理をやっているからこそ、地学の教科書に出てきた内容は同じ物理法則の公式をみても、新鮮に見えるかもしれません。

大学受験が終わってプレッシャーのないところで独学にて学ぶので、かえってすいすいと頭の中に入っていくかもしれませんね。