宇宙の学習の必要科目は? 理科1教科だけではないのです!

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宇宙を学習するとき、どのような科目が必要になってくるかを知っているかどうかは、高校での学習意欲に大きく関わってくるかと思います。

ここでは、どのような科目が必要になってくるかを紹介します。

まず宇宙で起こっている現象は全て物理現象です。

例えば、

 

  • 恒星の核融合現象
  • 超新星爆発
  • 天体の軌道進化
  • 惑星形成
  • 星形成
  • ブラックホールからのジェット
  • 重力レンズ効果
  • ブラックホール同士の合体で発生する重力波
  • 銀河の回転運動

 

などなど。

全て物理の現象が絡んできます。

これは宇宙のことを知るためには、物理を知っている必要があることを意味しています。

そのため、物理は宇宙のことを学ぶのには必要な科目になります。

物理の選択については、

 

宇宙を学ぶ、高校の選択科目は? まずは物理の重要性
宇宙を学ぶために高校理科の選択科目は何を選んだらいいのでしょうか? 地学は直接天文分野があるので魅力的ですが、理系で選べるところが少ないという現実があります。ここでは、大学で宇宙を学習する上でもっとも重要な高校の選択科目について解説します。

 

にも記載しています。

 

 

物理というものは、数学の力を借りています。

そのため、高校で習う数学は全て必須であると言えます。

例えば、高校物理の最初のほうで習う、速さと速度、相対速度について。

これは「ベクトル」という数学の概念を使っています。

 

 

さらに波動では三角関数が出てきますし、ニュートンの運動方程式も(高校物理では習いませんが)微分・積分を用いて表すことができます。

宇宙の観測や実験のようなデータを取得する場合には、統計処理が必要になってきますので、統計の知識が必要です。

 

 

三体問題やN体問題は、解析解が求められない(つまり、解の公式が存在しない)ので、コンピューターによる数値計算が必要になります。

火星探査機のぞみ、金星探査機あかつき、そして小惑星探査機はやぶさ2の軌道計算も全てコンピュータによる数値計算で軌道を計算しているのです。

 

 

スイングバイという言葉は聞いたことありませんか?

はやぶさ2が小惑星リュウグウに向かうために、地球のそばを通って加速と軌道変更を行ったときに用いたものです。

どのようにな位置にどのくらいの速度でスイングバイすれば、小惑星リュウグウに接近することができるかを数値計算で割り出すのです。

このような軌道計算では、コンピューター言語はもちろん、プログラムのロジックの組立かたが絡んできます。

ちなみにプログラミング言語は、FORTRANかCが多いです。

 

 

コンピューター関連の授業があれば、それも有用です。

なお、コンピューター言語については、後々でも大丈夫です。

大切なのは、プログラミング言語のロジックの組立かたです。

組立かたがわかれば、あとは使用するプログラミング言語に適応させればよいだけなので、実際にやるときに勉強すればOKです。

 

 

化学の知識もあると理解が進みます。

例として、星が形成される現場の星間分子雲。

ここでは、分子同士が結合して、複雑な分子も作られています。

2014年9月10日の国立天文台野辺山宇宙電波観測所のNEWSに

「宇宙の生命素材物質の形成過程を解明:
他の惑星系にも生命が存在する期待が高まる」

が掲載されています。

以下は要約です。

 

  • 最も簡単なアミノ酸であるグリシン(NH2CH2COOH)は星間分子雲で発見されていない。
  • NASAの打ち上げたスターダスト(StarDust)計画で、彗星からグルジンが発見されている。

ことがわかっています。

ここでは、グリシンは検出されてなくても、グリシンが生成される前段階の

 

  • メチルアミン(CH3NH2-)
  • メチレンイミン(CH2NH)

 

が観測で見つかれば、星間分子雲に豊富に存在する二酸化炭素(CO2)と反応して、グリシンが生成されることが強く示唆されると考えました。

観測結果は、以前の観測でメチレンイミン(CH2NH)が豊富にあることが分かっている天体中の2つであるG10.47+0.03とNGC6334Fで、メチルアミン(CH3NH2)を見いだすことができたとのこと。

以前の研究の成果と合わせると、

HCN + 2H → CH2NH

CH2NH + 2H → CH3NH2

CH3NH2 + CO2 → NH2CH2COOH

が強く示唆されます。

青酸:HCN(星間分子雲中に豊富に存在する)
水素:H

 

という内容です。

化学反応を追うことも、立派な宇宙の研究です。

そのためには、化学も知っておいたほうがよいと言えます。

注:宇宙空間で起こる化学反応は、地球上ではめったに起こらないような反応も頻繁に起こりえるのです。

 

時として、習った反応式とは違う反応式が出てきたということも。

このときには、地球上では非常に低確率でしか起こらない現象でも、地球上と比べて非常に密度の小さい宇宙空間では起こりえる事だと思ってください。

最新の研究成果は基本的に英文です。

また、日本語の書籍は手に入りにくいことが多いため、使うテキストや紹介される参考文献の書籍が英語ということもあります。

そのため、英語も必要です。

今あげたのは最低限必要なものです。

 

  • 物理
  • 数学
  • コンピューターロジック
  • 化学
  • 英語

 

化学のところであげた論文は、生命の起源はどこかというところに行き着きますので、生物の知識もあるにこしたことはありません。

ただ、高校では理科の選択科目が限られてしまっているところもあるようなので、物理・化学しか履修できないかもしれません。

できない場合には、大学に合格してからさっと眺めるだけでもいいでしょう。

 

 

理系の場合、地学を履修できる高校は少ないので、独学になってしまう可能性が高いです。

これも受験で使わないなら、大学に合格してからテキストを入手して見ておくといいですね。

必要な科目って結構多いですけど、これは宇宙というものは、いろんな分野と深く関わっているということを意味しているからなのです。

直接関係がなさそうに見える教科ですけれども、実は宇宙とつながっていたりするのです。