宇宙を学ぶためには物理は必須ですが、それ以外にも数学もマスターする必要があります。
なぜならば、理系の大学入試に必須なだけでなく、物理の問題を解くためには数学の知識が不可欠だからです。
ここでは高校数学の参考書についてお話しいたします。
参考書の王道は「チャート式」?!
学校の副教材として指定されることがあるチャート式
チャート式は古くから数研出版で出版されている参考書型の問題集です。
詳しい解説を載せた例題と問題(とその解説)がセットになっており、これを完全にこなせば、そうとうな力がつくと言われています。
そのため、副教材として指定している学校が指定していることがあり、そのような学校の授業では、授業と並行してチャート式を進めていっているようです。
チャート式が学校などで推薦される理由として、次のような理由があります。
- 数研版教科書に準拠した配列になっているため、教科書と併用して学習しやすいこと、
- 例題の解説が詳しいこと、
- 学習範囲の問題が一通り含まれていること。
もし、学校の授業と並行してチャート式を使用しているようであれば、先生をうまく活用しながら学習していきます。
授業と並行して活用できるチャート式には四つの種類があり、それぞれ、次のような特徴があります。
白チャートは、教科書レベルの問題から大学入学共通テストレベルの問題までに重点を置いています。
教科書レベルの問題でひっかかることがある場合に、使用する問題集です。
とはいえ、大学入学共通テストレベルの問題まで掲載されますので、基本を学習するのに適した書籍です。
一方、高校の副教材として用いられるチャートは、主に「黄チャート」もしくは「青チャート」になります。
どちらも教科書レベルの問題は理解ができているという前提の元に問題が掲載されていますが、基本的な問題も掲載されていますので、教科書レベルの問題が理解できているかどうかの確認もすることができるよう配慮されています。
この2つのチャート式の違いは、「黄チャート」は入試問題中堅校レベルの問題まで掲載されているのに対し、「青チャート」は難関校の問題レベルまで掲載されているという点です(さらに難しい問題まで掲載されているのが「赤チャート」です)。
すなわち、志望校のレベルに合わせて「黄チャート」か「青チャート」かを選択することになります。
また、数学は大学入試で必須であるため、学習をするならば、「黄チャート」か「青チャート」のどちらかを選択することになります。
なお、チャート式の中で一番難しいと言われる「赤チャート」は、数学が得意であり、青チャートレベルの問題は簡単すぎるという場合に用います。
新課程版として改訂された赤チャートは、問題が旧版に比べてスモールステップになったとはいえ、教科書の内容や基本的な問題は難なく解けるという人向けですので、やる人を最も選ぶ書籍です。
したがって、一から学習している場合の選択肢は、「黄チャート」か「青チャート」になります。
チャート式の問題点
チャート式は学習範囲の内容を網羅していますので、1冊を仕上げることで相当な力をつけることができます。
しかし、チャート式にはある問題が存在します。
それは、入試レベルにまで持っていくのに用いられる「黄チャート」や「青チャート」には、
教科書レベルの問題が理解できていることが前提
という問題があります。
特に例題は1ページの中に「例題の問題文」、「CHART & SOLUTION」、「解答」、「問題」が掲載されていますので、解説部分が圧縮されがちです。そのため、教科書レベルの解説は省かれがちで、それ以外の部分もやや簡潔に書かれていることもあるからです。
さらに、別解でも解ける問題にも関わらず、誌面の都合上、1つの解答しか掲載されていません。
このように、教科書レベルの問題ができていることを前提に作られているということに気がつかずにチャート式を使っていると、理解をせず、解法の暗記になりがちです。
その結果、ちょっと違った問題が出題されたときに手も足も出なくなってしまう可能性があります。
ただ、誌面の都合による解説不足については、この新課程版では解消されつつあります。
青チャート、黄チャートのすべての例題については、誌面上にある二次元バーコードのリンク先にある動画で解説をしてくれています(数学II、Bについては、2023年7月までに順次配信予定)。
なお、赤チャートについては解説動画はありません。
また、教科書レベルの問題が理解できているかどうかを例題で確かめようにも、指針や解答が目に入ってしまうため、例題を自力で解けるかを確かめるためには、コピーして問題だけノートに貼り付けるか、解答部分を隠して学習するなど、一工夫が必要になります。
チャート式で学習する場合には、上記の点に留意しながら学習を進めていくとよいでしょう。
詰まったら、解説動画を見るか、教科書に戻って復習します。
チャート式の解説が簡潔すぎて理解するのが難しいと感じた場合
チャート式には先に述べたような問題を抱えていますので、解説を読んでも分からない場合には、無理に「チャート式」を続けていても成績は絶対に伸びません。
まず考えられるのが、今自分の使っているチャート式のレベルが自分のレベルと合っていない場合です。
特に、教科書の内容は理解できているにもかかわらず、チャート式の問題が解けない時などの場合には、すぐにでも一つ下の色のチャート式に切り替えましょう。
基本を理解しないまま、難しい問題を解いても、理解が進まないため、のちのち学習をやり直すハメに陥るからです。
高校生の学習範囲は中学に比べて非常に広くなっています。
一つの問題にあまり多くの時間を割くのは得策ではないでしょう。
だからこそ、無理して使い続けるのではなく、一つ下の色のチャート式に切り替えるのです。
次に考えられるのは、教科書の内容を理解できていなかった場合です。
この場合には、ポイントとなる部分(特定単元)を詳しく解説した書籍を使用します。
特定単元でつまずいた場合の書籍
特定単元でつまずいている場合、もしくは学校で学習する内容を予習したい場合におすすめなのは、単元ごとに出版されている書籍です。
これらは、特定単元に特化しているため、1冊で多くのページ数を使うことができます。
そのため、一つ一つの解説を詳しく書くことが可能だからです。
有名な書籍では、
中経出版の「坂田アキラ」シリーズ
があげられます。
もし苦手な分野がありましたら、これらの参考書を使って理解を深め、苦手を潰していくという方法がいいかな、と思います。
※ベクトルシリーズに関してだけは、2次元と3次元で別々になっている細野真宏シリーズの方がつかいやすいので、そちらを紹介いたしますね。
教科書レベルの内容を全般的に学習し直したいときの書籍
教科書レベルの内容を全般的に学習し直したいという場合におすすめの書籍シリーズがマセマシリーズの本です。
マセマシリーズの最大の特徴は、
- 特に重要な項目のみが掲載されていること、
- 解説(特に計算過程)が非常に詳しいこと
の2点です。
読む人によっては「くどい」と思うかもしれません。
でも「くどい」と思うということは、そこを理解したという証しなのです。
だから「くどい」から嫌なのではなく、「くどい」からその単元はマスターできたから、次のステップに進むものと判断してくださいね。
さて、マセマシリーズにはいくつかのレベルがあり、
- 「初めから始める数学」(問題集)シリーズ
- 「元気が出る数学」(問題集)シリーズ
- 「合格!数学」シリーズ
- 「合格!数学実力UP!問題集」シリーズ
- 「頻出レベル数学」シリーズ
- 「ハイレベル数学」シリーズ
に分かれています。
このうち、教科書に沿った内容を掲載しているシリーズが
- 「初めから始める数学」(問題集)シリーズ
- 「元気が出る数学」(問題集)シリーズ
の二つのシリーズです。
「初めから始める数学」(問題集)シリーズには、
偏差値40前後の数学アレルギー状態の人でも理解できるように、文字通り中学レベルからの数学からスバラシク親切に解説した、講義形式の参考書
と書かれていることから、基本レベルから理解した向けであることがわかります。
このシリーズでは、教科書で見落としか箇所があるかどうかをチェックします。
「初めから始める数学」(問題集)か「元気が出る数学」(問題集)は、テキストの内容を見て、始める参考書を決めて大丈夫です。
ただ、「元気が出る数学」(問題集)をやっていて説明が難しいと感じたら、すぐに「初めから始める数学」(問題集)に戻ってください。
基礎固めができて、初めて入試問題を解くことができるからです。
マセマ出版シリーズ一覧は次のリンク先の一覧をご覧ください。
いろいろな書籍がありますが、それぞれの特色を把握した上で学習すると、より効果的ですよ!