高校地学を大学受験で使おうと思ったときに、出てくる壁があります。
それは、
教科書・参考書・問題集
がなかなか見つからないという壁です。
ここでは、高校地学で受験で使おうと思っている君に、教科書・参考書・問題集について紹介いたします。
なお、センター試験は2020年度より「大学入学共通テスト」に変わっています。
しかし、過去データが少ないため、しばらくはセンター試験の問題との併用になる場合があることに、留意してください。
高校地学の問題点
高校地学は、受験者数が少ないことから、教科書・参考書や問題集が入手しにくいということが問題に挙げられます。
これは、理系で高校地学を選択できる高校があまりないことと、文系の人も履修することのある地学基礎も受ける人の人数が少ないことが原因です。
物理や化学は、高校の理系コースでも選択する人が多いため、参考書や問題集を取り扱っている書店が多くあります。
しかし、高校地学は受講している人が少ないため、取り扱っていない書店もあるのです。
出版業界もビジネスですから、あまり売れない参考書や問題集は出版いたしません。
そのため、地学基礎は少しは需要があり、参考書や問題集が出版されていますが、理系科目である地学の方は参考書や問題集は皆無と言ってもいいほどありません。
このように高校地学を受験で使おうと思ったときにでてくる問題は、参考書や問題集がないという点だけをみても、受験にも大きく影響するのです。
第一に教科書を手に入れる
高校地学は出版されている参考書や問題集が少ないですので、重要になってくるのが教科書です。
大学入試の問題であっても、教科書に書かれている内容から大きく逸脱して出題されることはありません。
そのため、教科書を読みこなすことが先決になります。
高校地学の受講者数が少ないと言っても、受講している人はいるので、なんらかの方法で入手することができます。
例えば、
などで、「高校地学 教科書」というタイトルで検索すると、出品していることもありますので、そちらから入手することも可能です。
教科書を入手する場合には、「地学基礎」と「地学」の2つを入手する必要があります。
学習内容に沿って2つに分けられているため、試験範囲を学習するためには両方が必要になるからです。
ただし、メルカリなどで購入する場合には、出品されている数が少ないので、入手するのが難しいという問題もあります。
最近では、アマゾンで数研出版と啓林館の教科書も入手できるようになっています。
メルカリで商品を購入できないときは、アマゾンで地学基礎と地学の2冊を購入することも検討するといいでしょう。
数少ない参考書・問題集の中で何を活用すればいいのですか?
教科書を読みこなすだけでは、試験に対応しきれないこともあります。
教科書を読んでもわからない部分があるときには、参考書が必要になってきます。
また、理解したかどうかを確認するためにも問題集が必要になってきます。
ここでは、数少ない参考書・問題集の中で何を使ったらよいかを紹介します。
地学基礎の参考書
地学基礎は、少ないながらも大学入学共通テストで一定の受験者数があることから、参考書が出版されています。
2次試験でも地学を使う場合には、以下の参考書がおすすめです。
少しばかりですが、地学基礎の範囲外の内容も掲載されている唯一の参考書です。
大学入学共通テストでしか使わない場合には、不要な内容であっても、2次試験で使う場合には、地学基礎の範囲外の内容が少しでも掲載されているのは、うれしいのではないでしょうか?
内容もカラーのイラスト・図や表も掲載されているばかりでなく、数式の解説も丁寧です。
じっくり取り組むには、おすすめの参考書です。
目次
- 太陽と恒星
- 銀河と宇宙
- 地球の形と大きさ
- 地球内部の構造
- プレートの運動
- 火山
- 地表の変化
- 古生物の変遷
- 大気とエネルギー
- 大気と海水の運動
- 環境と人類
- 日本の自然環境
地学基礎の範囲に絞った、易しい解説に重点を置いた参考書です。
「青木の地学基礎をはじめからていねいに」は2次試験で地学を使う人を意識した地学基礎の範囲を解説している参考書に対し、「きめる!センター地学基礎〔新課程対応版〕」は地学基礎を大学入学共通テスト」でのみ使う人を対象にした参考書です。
図を多く使っているためにページ数は多いのですが、1ページ分はあまり多くないと感じされる参考書です。
地学基礎の範囲を逸脱することないのですが、解説が「青木の地学基礎をはじめからていねいに」よりも容易になっているので、教科書を読んでもさっぱりというときにおすすめです。
地学基礎の問題集
数研出版から販売されている問題集です。
同じく数研出版から「セミナー地学基礎」も出版されていますが、市販のものは厚い解説書が付属していませんので、おすすめできません(中古品で入手する必要があります)。
地学基礎の範囲内であるとはいえ、記述式の問題集ですので、地学基礎範囲であれば、2次試験対策としても活用することができます。
地学問題集(地学基礎範囲)
大手塾でも地学をカバーしている塾は少ないのですが、駿台は地学の2次試験の分析をウェブで公表するぐらい力を入れている塾です。
その駿台の出版社から出版されているのが「短期攻略 センター地学基礎」。
地学基礎という名前がついているのですが、地学の試験範囲から出題しているため、難易度が高くなっています。
しかし、大学入学共通テストで地学を受験する君にとっては、地学分野の問題も解いておく必要があるので、ぜひとも手に入れてやっておきたい1冊です。
※一部の問題に旧課程の内容が含まれています。
地学範囲の問題集
出版されている問題集は地学基礎の範囲で構成されています。
しかし、入試では地学の範囲もかなり出題されますので、演習が必要です。
とはいえ、ほかの教科のように問題集が豊富に出版されていません。
学校副教材で唯一出版されているのが
啓林館 センサー 地学 改訂版(2019年3月)
です。
学校の副教材では別冊の詳しい解説がついてきますが、市販されているものは別冊回答はありません。
定価での入手は困難で割高になってしまいますが、別冊回答付きのものを入手するためには、オークションやフリマ(Amazon.co.jp)で売っていることがあります。
このように地学の学習を難しくしている問題集の少なさですが、2020年12月に駿台学園から「地学」分野の大学入学共通テスト向けの問題集が発売されました。
全部で63問と少ないように感じますが、 類題をたくさん解くのではなく、
選択肢から選ぶ→自分で記述で書けるようにする
というステップを踏むことで、かなり力がつくはずです。
大学受験は地学だけではないので、あまり時間をかけずにポイントを演習できるかと思います。
最初に活用するのは、大学入学共通テストの過去問題集です。
大学入学共通テストは基本的に、選択問題ですので、難易度は低くなっています。
しかし、2次試験は記述式であるため、その対策を兼ねた演習が必要になってきます。
そこで、大学入学共通テストの過去問を解くときに、選択肢を隠した状態で問題を解きます。
大学入学共通テストは基本的な内容が出題されますので、ほかのどの入試問題よりも演習に適しています。
地学基礎の範囲が終わったら、すぐに取り組みましょう。
最後に、2次試験対策です。
2次試験対策は、過去問題集で演習するしかありません。
各大学の過去問から演習する方法も一つですが、その年に出題された全国の地学の問題を収録した問題集がくぬぎ出版より出版されています。
大学によって難易度がかなり違いますので、最初はやさしめの問題を出題している大学から解いていって、レベルを上げていきます。
地学は受験者数が少ないため、教科で得点差があったときに行われる得点調整が実施されないことが多く、また参考書・問題集も格段に少ないという弱点もあります。
このような弱点を、共通テストの過去問などをうまく活用して学習してみてくださいね。
ファイトです!